認定制度

日本獣医循環器学会 動物循環器認定医制度発足にあたって

平成13年7月11日

 日本獣医循環器学会は、1962年に第一回研究集会を家畜心電図研究会の呼称で開催して以来今日に至るまで斯界における指導的役割を果たしてきました。循環器学に関する研究は、心臓における電気的現象が研究の端緒となり、心電図学を核として発展しました。その後の循環器学の発展は心臓を中心とする循環器系を総合的に理解する方向で進み、臨床における問題提起と基礎研究分野における問題解決が両輪となり獣医循環器学の進歩と発展を支えています。この間、研究会の呼称は家畜心電図研究会から日本獣医循環器学会へと発展的に変更されました。

 今日、市民の獣医療とりわけ循環器領域における獣医療の高度専門化への期待は大きく、本学会の果たすべき役割は極めて重大となりました。このような社会の要請に対応して、本学会では1999年に専門家養成に関わる認定委員会を発足させ検討を重ねてきました。委員会としては、獣医循環器学における高度獣医療に対応するためには、診療施設に関わる整備と基礎および臨床における研究者や臨床医の養成が必要であるとの合意に達しました。
 そこで、より専門化した獣医循環器学に関する知識と実践能力を備えた研究者や臨床医を支援する方策の一つとして、獣医循環器学に関する認定医制度をスタートすることになりました。高度に専門化した循環器領域の獣医療を実践するにあたっては、獣医療施設の整備と動物の循環器専門家の養成が必要となります。認定医制度はあくまでも高度獣医療に関わる人的要素の整備です。

 認定医制度の趣旨は、獣医学の国際化を鑑みてその水準を諸外国における専門医の基準を参考にし我が国の現状に合わせ制定しました。今回発足する認定医制度は、動物の循環器専門家を養成する基礎をなす制度とし、認定医の中から将来は国際的水準を有する専門医を養成したいと考えています。

 認定医資格取得の詳細な要項は動物循環器認定医制度規程・細則に示されています。その骨子は獣医循環器臨床の実務歴や動物の循環器学に関わる研究歴を基礎にしています。
 したがって、臨床経験の年限や研究歴におけるレポートに基づいて認定されます。さらに、認定医の水準を維持するために、認定医の有効期間を定めその間に更新のための講習会を開催します。
 多くの会員に本認定医制度に対しご理解をいただき、日本における動物の循環器学専門家が数多く誕生することを願います。